あなたが私を見つける日まで
「失礼します!柳下君居ますかー?」
(んっ…?)
どのくらい寝てしまっていたのだろう。
私は、保健室に入ってきた誰かの声で目を覚ました。
先生以外の誰かに会うと面倒な事になるから、その人がベッドの方に来る前に急いでカーテンを閉める。
「おーい柳下!購買行くぞ、起きろ!」
「焼きそばパン売れちゃうよー」
案の定、2つの声は真っ直ぐに日向君の居るベッドの方に向かって行って。
「…んー、眠ぃ」
「俺の方が眠いわ!昼食べて目覚ましな。5限理科だからお前出ないとやばいだろ」
カーテンの隙間から、日向君がいつも仲良くしている坂本君と宮田君が声を掛けているのが見える。
「あら、2人共どうしたの?柳下君のお迎え?」
その時、職員室から帰ってきた竹本先生の明るい声が聞こえてきた。
「そうです、昼食べてパワーつけてもらわないと困るので」
「それより、俺達5限が理科なんですけど、こいつ中間で理科赤点取ったから出席しないと成績危ういんすよ」
2人はほぼ同時に答えを言い、
「赤点のくだりいらねーよ!」
と、完全に目が覚めたらしい日向君に突っ込まれていた。
「まあいいや、取り敢えず購買行きたいし戻ろっかなー。せんせーありがとうございました、また来るんで!」
「はいはい、行ってらっしゃい」