あなたが私を見つける日まで
その後、日向君は友達と一緒に保健室を出て行ってしまって。



私も日向君と一緒に教室に戻れたらどんなに幸せだろう、とか、保健室に迎えに来てくれる友達が居るのいいな、とか、そんな事が頭を駆け巡った。



でもこの現状は変えられないし、“また来るんで!”と言ってくれた大好きな日向君にまた会える事を信じて、私は再度ベッドに潜り込んだ。







けれど、その後2週間が過ぎて期末テストに突入しても尚、日向君が保健室に現れる事はなかった。




そして、あっという間に訪れた期末テスト最終日。


「学校はどうだ?楽しいか?」


「…はい」


日向君に会いたいとあれ程願っていたのに、私が話しているのは担任の先生。


テストの回収をしに来た先生は、そのまま何食わぬ顔で私のベッドの隣に腰掛けている。


その丸椅子は、日向君に座ってもらいたかったのに。



保健室にしか居ない生徒に“学校は楽しいか?”と聞くなんて、何て答えたらいいか分からないし気分が悪くなってきた。


「解答用紙もちゃんと全部埋められてるし、学力も申し分ない。…峯岸がその気なら、いつでも教室に戻ってこれるんだぞ」


ほら来た、いつもの地獄への誘い。


「…はい」


胸の痛みに気付かなかった振りをして、あくまで普通に返事をした。
< 17 / 26 >

この作品をシェア

pagetop