あなたが私を見つける日まで
「あ、宮田が壁に頭ぶつけて血出てたんで、竹本先生も行った方がいいっすよ」
保健室から走り去る先生の背中を見つめていた日向君は、くるりと向きを変えて竹本先生に話し掛ける。
「あら…、それは行った方がいいわね。柳下君、もし熱があるようならそこにある冷えピタ貼って安静にしてなさい。ないなら教室に戻る事」
私の視界の隅に現れた竹本先生はやれやれと首を振ると、傍にあった救急箱を取って早足で保健室を出て行ってしまった。
「……」
残された私は、いまいち状況が理解出来ずにぽかんと口を開けたまま。
数秒後、
「…坂本君と宮田君、喧嘩しちゃったの?」
日向君と仲の良い彼らが喧嘩するなんて…、と、控えめに尋ねると、
「んなわけないじゃん、あんなの嘘だよ」
竹本先生の後ろ姿を目で追い掛けていた彼は、くるりと振り返っていたずらっ子の様な笑みを浮かべた。
「え、?」
「だって凛ちゃん、凄い嫌そうな顔してたし。別に教室行きたくないなら行かなくていいじゃんね?」
そのままこちらに向かってきて先生が使っていた丸椅子に腰掛けた彼は、いひひ、と笑ってみせる。
まさか日向君、私が困っている事に気付いて助けてくれたの…?
何と言っていいか分からず、ただ目を左右に動かしていると。
保健室から走り去る先生の背中を見つめていた日向君は、くるりと向きを変えて竹本先生に話し掛ける。
「あら…、それは行った方がいいわね。柳下君、もし熱があるようならそこにある冷えピタ貼って安静にしてなさい。ないなら教室に戻る事」
私の視界の隅に現れた竹本先生はやれやれと首を振ると、傍にあった救急箱を取って早足で保健室を出て行ってしまった。
「……」
残された私は、いまいち状況が理解出来ずにぽかんと口を開けたまま。
数秒後、
「…坂本君と宮田君、喧嘩しちゃったの?」
日向君と仲の良い彼らが喧嘩するなんて…、と、控えめに尋ねると、
「んなわけないじゃん、あんなの嘘だよ」
竹本先生の後ろ姿を目で追い掛けていた彼は、くるりと振り返っていたずらっ子の様な笑みを浮かべた。
「え、?」
「だって凛ちゃん、凄い嫌そうな顔してたし。別に教室行きたくないなら行かなくていいじゃんね?」
そのままこちらに向かってきて先生が使っていた丸椅子に腰掛けた彼は、いひひ、と笑ってみせる。
まさか日向君、私が困っている事に気付いて助けてくれたの…?
何と言っていいか分からず、ただ目を左右に動かしていると。