あなたが私を見つける日まで
「……って、言いたかったけど」


刹那、私の耳に飛び込んできたのは日向君の笑いを含まない低い声で。


(えっ?)


瞬きを繰り返した私が横を向くと、いつの間にか丸椅子に座っていた日向君は真面目な目つきでこちらを見てきていた。




「…俺、凛ちゃんと友達になりたくない」




その衝撃的な一言は、私から言葉を失わせるには十分な威力を誇っていて。


(……、)


この感情をどう言葉にしたらいいか分からなくて、日向君が未だに真面目な顔をしているのも意味が分からない。


口を半開きにして固まっている私をその双眸に捉えたまま、日向君は再び言葉を紡ぎ始めた。



「俺がしょっちゅう保健室に来てたのは確かに怪我したり眠かったのもあるけど、1番は凛ちゃんに会いたかったから」


日向君の瞳は熱のせいか潤んでいるように見えて、見ているだけで泣きそうになる。


「俺、…凛ちゃんに会うためだけに、保健室来てた」


ドクン、と、自分の心臓が一際激しく血液を送り出した。





「……俺も、すきだよ」





(っ……!)



今の言葉は夢か、現実か。


ずっと聞きたくて聞きたくて堪らなかった言葉が、私の頭を跳ねて駆け回る。
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