あなたが私を見つける日まで
(ひ、日向君が、私に、…好きって…!)


顔が火照って、嬉し過ぎて何を言おうとしていたか忘れてしまう。


「何、照れてんの?」


頬を真っ赤にしているであろう私を見てクスッと笑みを零す日向君の頬だって、リンゴよりも赤い。



「っ…私も、すき」


頑張って喉の奥から絞り出したその声は掠れていて、でも日向君はちゃんと受け取ってくれる。


「知ってる。だってこの間言ってたじゃん」



…この間?


何を言っているんだろう、と首を傾げた私の頭の中に突如浮かび上がってきたのは、私が彼の目元にコンシーラーを付けてあげたあの日の出来事。


そうだ、確かあの日、私はてっきり日向君が寝ていると勘違いして…。


「うっそ、」


余りの恥ずかしさに、最早好きな人の顔も見れなくなって俯いた。


こんなの、完全に黒歴史ではないか。


「あん時、俺にやけ止めるの必死だったんだけど?不意打ちは良くないっしょ」


「そうだけど、いや、そういう事じゃっ…!」


完全にこの状況を楽しんでいる日向君が憎らしいのに、それ以上に愛おしい。


「告るの早過ぎるかなって思ってたら、まさかのフライング貰えちゃったよ」


「だからっ…、だって、こんな私の事なんて所詮ただの友達にしか思われてないと思ってたし、」
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