あなたが私を見つける日まで
日向君とのキスなんて私の身体が持たない、多分唇が触れ合った瞬間に天に召される。
「晴れて付き合った俺達に、早過ぎるも遅過ぎるもないでしょ」
そんな私の心情をまるで汲み取らない意地悪日向君は、妖艶な笑みを浮かべて私の顔に接近してきた。
顎を熱い手で掴まれ、おでこにかかる髪を払われる。
(ちょっ…!)
日向君の長いまつ毛とリンゴよりも赤いすべすべの肌と、ピンク色の唇が、すぐそこに……。
(…ん?)
しかし、目を閉じていくら待っても唇に何も触れる感覚がしない。
そっと目を開けると、
「今思い出したけど、俺風邪引いてるんだったわ。凛ちゃんに移したらまずいから、キスは一旦お預けね」
短時間で私が作り上げていた全てのシナリオを崩した張本人が、あの太陽みたいな顔で私に向かって笑いかけていた。
彼はこういう時だけ意地汚くて、でもやっぱり、
そういう所が、日向君らしかった。
【完結】
「晴れて付き合った俺達に、早過ぎるも遅過ぎるもないでしょ」
そんな私の心情をまるで汲み取らない意地悪日向君は、妖艶な笑みを浮かべて私の顔に接近してきた。
顎を熱い手で掴まれ、おでこにかかる髪を払われる。
(ちょっ…!)
日向君の長いまつ毛とリンゴよりも赤いすべすべの肌と、ピンク色の唇が、すぐそこに……。
(…ん?)
しかし、目を閉じていくら待っても唇に何も触れる感覚がしない。
そっと目を開けると、
「今思い出したけど、俺風邪引いてるんだったわ。凛ちゃんに移したらまずいから、キスは一旦お預けね」
短時間で私が作り上げていた全てのシナリオを崩した張本人が、あの太陽みたいな顔で私に向かって笑いかけていた。
彼はこういう時だけ意地汚くて、でもやっぱり、
そういう所が、日向君らしかった。
【完結】