厄介なイケメン、拾ってしまいました。
「動揺、しないよね? ペットだから」

 蓮くんはそう言って、私の頬をペロリと舐めた。

 っ!?

「ワンコからの、敬愛のチューだよ」

 そう言って、今度は3回私の頬に舌を這わせた。

「添い寝屋より、ペットの方がいいかも」
「え? 事実上の降格処分を下したはずなんだけど」
「だって、紗奈と、近い距離にいれるから」

 その囁きが耳をくすぐる。
 と、突然耳たぶに走る刺激。

「な、何してっ!?」
「嫌い? 可愛いペットの甘噛だよ?」

「なっ!!!」

 ヤバイ。
 今、絶対顔赤い。

「言わないってことは、もっとしていいってことだ」

 蓮くんはそう言うと、私の身体をくるりと反転させた。
 私の視界に広がる、蓮くんのどアップ。

「まだチュー、し足りないんだ」

 頬に、おでこに、目元に這う、彼の舌と唇。
 甘い痺れが顔中を覆って、どうしようもなく、身体が火照る。

 首筋も、鎖骨も、うなじも。
 彼の舌が、私の身体を這っていく。

 思わず身体を捩れば、漏れそうになる甘い声。

「やめ……て……」

 やっとのことで絞り出した声。
 けれど、嬌声になってしまう。

「躾のなってないペットだから、ご主人さまの声で興奮しちゃうんだけど」

 やばい。
 そっか、コイツは大学生。
 盛んな年頃。

 うっかり油断した。
 けれど、もう火照った身体を自分ではどうにもできない。

「んん……」

 顔中を舐め取る、彼の舌。
 それが再び口元に触れたから。

 私も舌を出して、彼のそれに絡ませた。

 ――ピクン

 と、蓮くんの肩が一瞬揺れる。

 けれど、私がそのまま彼の首に両腕を回したから、彼はそのまま私の口の中を激しく掻き乱し始めた。
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