厄介なイケメン、拾ってしまいました。
9 秘密のペット
「あ、あとさ。旦那、帰り早まったんだ」

 ボテボテになった煮物を突きながら、蓮くんに言った。

「へえ。いつ?」

 蓮くんは今日も気持ちがいいくらいに、白米をお茶碗いっぱいによそったのを3杯も食べている。

「明日」
「そりゃまた急なこと」

 そう言った蓮くんは、お茶碗に残った最後の一粒を箸で摘んで口に放った。

「じゃあ、今夜で最後だ。紗奈に、溺れていい?」

 私がコクリと頷くと、蓮くんは口角をニヤリと上げて不敵に笑う。
 それが、何だか可愛く思えてしまった。
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