不倫の女
 少しだけ寝るつもりだったはずが起きると夜になっていた。

 ベッドの中に彼はいなかった。

 怖くなって名前を呼ぶが返事はない。
 
 電気をつけるとソファの前にあるテーブルに一万円札が数枚と手書きのメッセージが置いてある。

 メッセージはノートの切れ端に、細かく丁寧な字で書かれている。
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