背中合わせ
1
まっすぐにユウを見つめるシン。
いつもふざけているシンは、この時だけはまっすぐな目をしていた。
「好きだ。付き合って欲しい」
落ち着いた声だった。
真剣な表情のシン。
ユウも、そんなシンの姿をまっすぐに見ていた。
お互いの鼓動が聞こえてしまいそうな静けさの中で、ユウはゆっくりとゆっくりと深呼吸をした。
ゆっくりと、目を閉じるユウ。
静かに息を吐きだす。
真剣な顔から、口元が緩む。
目を開けたユウは、満面の笑顔で応えた。
「うん」
ドン。
「またなんか読んでんの?」
声をかけてきたのは、幼馴染のユウだ。
そう、今読んでいる小説のヒロインと同じ名前。
主人公はシン。
この本を手に取ったのは、それが理由だ。
「そんなに面白いのシン?いっつも本ばかり読んでるけど」
ユウは、家が二軒隣。
家族同士も知り合いで、保育園から一緒だ。
思い出の写真には、いつもユウが隣にいる。
高校に上がったけれど、気が付けば同じ所に通っていた。
昼休みや放課後、ユウはいつもこうして声をかけてくる。
俺とは違って、ユウは活発なスポーツ少女だ。
周りから見れば、大人しい本ばかり読んでいる俺を世話しているお姉ちゃんに見えるだろう。
高校にもなれば、少し噂になるかと思ったが、その心配は見事に外れた。
いつもふざけているシンは、この時だけはまっすぐな目をしていた。
「好きだ。付き合って欲しい」
落ち着いた声だった。
真剣な表情のシン。
ユウも、そんなシンの姿をまっすぐに見ていた。
お互いの鼓動が聞こえてしまいそうな静けさの中で、ユウはゆっくりとゆっくりと深呼吸をした。
ゆっくりと、目を閉じるユウ。
静かに息を吐きだす。
真剣な顔から、口元が緩む。
目を開けたユウは、満面の笑顔で応えた。
「うん」
ドン。
「またなんか読んでんの?」
声をかけてきたのは、幼馴染のユウだ。
そう、今読んでいる小説のヒロインと同じ名前。
主人公はシン。
この本を手に取ったのは、それが理由だ。
「そんなに面白いのシン?いっつも本ばかり読んでるけど」
ユウは、家が二軒隣。
家族同士も知り合いで、保育園から一緒だ。
思い出の写真には、いつもユウが隣にいる。
高校に上がったけれど、気が付けば同じ所に通っていた。
昼休みや放課後、ユウはいつもこうして声をかけてくる。
俺とは違って、ユウは活発なスポーツ少女だ。
周りから見れば、大人しい本ばかり読んでいる俺を世話しているお姉ちゃんに見えるだろう。
高校にもなれば、少し噂になるかと思ったが、その心配は見事に外れた。
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