あなたには帰る場所がある。だから、愛しているとは言えない。



 他の騎士達ならば、女なのにと馬鹿にしてくることも多かったが、彼はそんなことはしなかった。
 まだ戦闘に不慣れな私をさりげなくフォローしてくれて、自分の方が優秀なのに私を褒めてくれたりして、男慣れしていなかった私は、勝手にドキドキしてしまった。

「ミリーは頑張り屋さんだな」

「そうかしら? もう、あんまりぐちゃぐちゃにしないでちょうだい」

 子ども相手のようにポンポン頭を叩いてこられたりする。
 だけれど、なんだかんだで満更でもなくなっていたのだ。


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