*結ばれない手* ―夏―
「みんなの言う通りだ、モモ。おれ達で凪徒を取り戻そう。春にモモを取り返した時とおんなじ気持ちで!」
「暮さん……」
暮は一度皆の方を向いた後、正面の団長に戻して頷き、そしてモモの方へ向き直し言った。
その笑顔には揺るぎない意志が見える。
「大丈夫じゃよ、モモ。解体されたらまた作ればいい。何度でも作り直してやるぞ」
「団長……」
モモは忙しなく団長・暮・夫人をはじめとした団員みんなの顔を見つめ直した。
──あの時の笑顔と一緒だ……あのパークで、あたしを見つけてくれたあの時の笑顔と──。
「秀成! 話は聞いてたな? 明日の朝八時に出発するぞ!!」
「は、はい~!」
ギュウギュウに折り重なる皆の背後から、こもった声で秀成の返事が返された。
モモは立ち上がり、込み上げる気持ちが言葉を途切れさせたが、一生懸命に下げられた頭のてっぺんが皆の視界に入った時、「きっと想いは伝わった」と確信した──。
「暮さん……」
暮は一度皆の方を向いた後、正面の団長に戻して頷き、そしてモモの方へ向き直し言った。
その笑顔には揺るぎない意志が見える。
「大丈夫じゃよ、モモ。解体されたらまた作ればいい。何度でも作り直してやるぞ」
「団長……」
モモは忙しなく団長・暮・夫人をはじめとした団員みんなの顔を見つめ直した。
──あの時の笑顔と一緒だ……あのパークで、あたしを見つけてくれたあの時の笑顔と──。
「秀成! 話は聞いてたな? 明日の朝八時に出発するぞ!!」
「は、はい~!」
ギュウギュウに折り重なる皆の背後から、こもった声で秀成の返事が返された。
モモは立ち上がり、込み上げる気持ちが言葉を途切れさせたが、一生懸命に下げられた頭のてっぺんが皆の視界に入った時、「きっと想いは伝わった」と確信した──。