*結ばれない手* ―夏―
[15]花火と想い出
翌日金曜から三日間の週末公演は、何事もなく無事終了した。
休演日である水曜日までにはあと二日があるが、週末を終えると皆少しホッとする。
夕食を終えた独身組は食堂プレハブや外のベンチで夏の夜の涼しさを堪能し、モモもいつぞやのベンチへ寛ぎに向かう途中リンと秀成に声をかけられた。
「ネェネェ~モモたん、あと一時間くらいで終わっちゃうみたいだけど、駅の向こうの河川敷で花火大会やってるんだッテ~一緒に見に行かない?」
この夜は貸切公演がなかったため、食事を終えてもまだ二十時を回ってはいなかった。
が、とかく花火大会なんてものは、その会場まで渋滞しているのが当たり前だ。
──行き着くまでに終わってしまわないだろうか? とモモは言いかけたが、
「ナッギーも誘ってダブルデートしようヨ~モモたんにもチャンスだよ!」
「えぇ……?」
秀成はリンの目配せで凪徒を誘いに行ってしまい、リンはモモに顔を寄せ小声で耳打ちした。
休演日である水曜日までにはあと二日があるが、週末を終えると皆少しホッとする。
夕食を終えた独身組は食堂プレハブや外のベンチで夏の夜の涼しさを堪能し、モモもいつぞやのベンチへ寛ぎに向かう途中リンと秀成に声をかけられた。
「ネェネェ~モモたん、あと一時間くらいで終わっちゃうみたいだけど、駅の向こうの河川敷で花火大会やってるんだッテ~一緒に見に行かない?」
この夜は貸切公演がなかったため、食事を終えてもまだ二十時を回ってはいなかった。
が、とかく花火大会なんてものは、その会場まで渋滞しているのが当たり前だ。
──行き着くまでに終わってしまわないだろうか? とモモは言いかけたが、
「ナッギーも誘ってダブルデートしようヨ~モモたんにもチャンスだよ!」
「えぇ……?」
秀成はリンの目配せで凪徒を誘いに行ってしまい、リンはモモに顔を寄せ小声で耳打ちした。