わたしのエース
「また夢を見たのね」
「そうらしいね。昔の夢を見てた」

甘い声が耳をくすぐり、妻の体を抱き寄せる。

大阪の繁華街でばったり会った、奇跡の再会から僅か一か月足らずで、一回り以上離れた年の差カップルは夫婦になった。

あの日の幼い女の子は英輔に引けを取らないすらっと背の高い美しい女性に成長していた。あなたとの再会は偶然よと言う妻を英輔は信じたが、あれから二十年経っているにも関わらず、すぐに英輔だとわかったのはなぜか?
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