夏の魔法。
「焦った。俺って夏音の特別の座にとっくにいるもんとばかり思っていたから。






俺はあいつの特別になりたい。俺で満足させたい。








だから俺と勝負しろ。勝ったら俺を夏音に結び付けろ。約束だぞ。」










やっぱりガキじゃないか。




呆れた。考えなしてるうちにトラウマは夏の夜風に流されて行ってしまったのだろうか?






やっぱりダサい。






でも正直うれしい。もう心配しなくても大丈夫なのに。




私はいっぱい後悔して謝るきっかけを探していたところだった。






すれ違ったあの夜からうまく話すきっかけがつかめなかった。






というより怖かった。








そして、ちゃんとわかってるか知らないけど先輩に非はない。




たぶんわかってない。ガキだから。




「明日僕出国で忙しいんだけど。何とかして。」






先輩からの電話でこの間の日焼けよりも顔が赤くなる。春花といい勝負かも。
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