お前を奪い返す〜俺様御曹司の独占欲が燃え上がる

病室へ向かうと、まだ点滴をしていた。

彼女は俺の姿を目視すると、パッと表情が輝いた。

「神野さん、きてくれたんですね、嬉しい」

「あのさあ、お前、保険証どこにあるんだ」

「保険証は持ってないです」

「今までどうしてたんだよ」

「お金無くて……」

俺は世の中にはこいつみたいな人間もいるんだなと改めて思い知らされた。

「あのう……」

「何？」

「神野さんは、ちゃんと体力回復しろと仰いましたが、入院費払えません」

「いいよ、俺が立て替えておくから」

「ありがとうございます、お返しするのに何年かかるかわかりませんが必ずお返しします」

「ああ、いいよ、俺は金には困ってねえから」

「また、助けてもらった、やっぱり運命の人だよね」

「おい、心の声、ダダ漏れだけど」

「えっ、嘘」

俺は大きなため息をついた。

「恥ずかしい、どうしよう」

彼女は真っ赤な顔をして俯いた。

「あのさあ、またって、俺前にもお前を助けたのか」

「はい、三年前なんですが、アメリカで」