お前を奪い返す〜俺様御曹司の独占欲が燃え上がる
この俺が、こんなにおしゃべりだったかと疑うほど、彼女と会話が弾んだ。

「そういえば、よく三年前にアメリカ行けるほど金あったな」

「懸賞で当たったんです」

「へえ、そこで運を使っちまったんだな」

「そんなことありませんよ、今、私すごく幸せです」

「お前さあ、自分の気持ちストレートに表すよな、相手がどう思ってるか気にならねえの」

「神野さんが私を好きになってくれる確率はゼロに等しいですから、期待はしていないので大丈夫です、こうして神野さんの顔見て、お話出来るだけで、奇跡だと思っています」

奇跡か、俺にとっても奇跡かもな。

まりかとなら結婚してもいいかと思い始めた。

俺はまりかの手を握り引き寄せた。

まりかのおでこにチュッとキスをした。

まりかは固まった。

「また、明日来る」

俺は慌てて病室を後にした。

何やってるんだ、俺は。

次の日も俺は仕事を終わらせて病院へ向かった。

この俺がまりかとのおしゃべりに楽しさを感じている。

病室のドアをノックした。

< 13 / 70 >

この作品をシェア

pagetop