お前を奪い返す〜俺様御曹司の独占欲が燃え上がる
「嘘を言ってはいけないよ、僕の腕に抱かれていた時はうっとりした表情をしていたじゃないか、君は僕を愛している、紛れもない事実だ、僕たちは毎晩愛しあっていたじゃないか」

「あの時は借金があったから我慢していたんです、でも今は我慢出来ません」

「まだ借金は残っているんだ、君は僕と結婚するより借金を返す方法はないんだ」

「何年かかっても、何十年かかっても必ずお返しします、もうあなたの言いなりにはなりません」

まりかは俺の背中に身を隠した。

「まりか、神野さんにご迷惑ををかけてはいけないよ」

その男は無理矢理、俺の背中に隠れていたまりかの腕を掴んで連れて行こうとした。

俺はその腕を払い退けて病室の外に追いやった。

「おい、なんかあんたの言ってることと違うじゃねえか、まりかは病人なんだよ、あんたそれでも医者か、まりかは引き渡すわけにはいかねえ、とっととうせやがれ」

俺は思い切り病室のドアを閉めた。

まりかはその場にへたり込んだ。

「まりか、大丈夫か」

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