お前を奪い返す〜俺様御曹司の独占欲が燃え上がる

まりかは俺の顔を見上げて堪えていた涙が頬を伝わった。
そして俺の胸に顔を埋めてワンワン泣いた。

しばらくして落ち着きを取り戻したまりかは、ことの事情を語りはじめた。

「私の父は美咲不動産の社長でした、ところが業績が傾き、負債を追うことになりました、その頃父の負債を肩代わりしてくれたのが彼の父である東洋総合病院の院長でした、父は必ず返すと約束をしたのですが、彼の父はその頃生まれた自分の息子と父の娘である私を将来結婚させる約束をしてしまったのです」

俺は黙ってまりかの話を聞いていた。

「万が一借金が返せない時は借金の方代わりに娘を私にくれと約束させられたのです、何も知らずに成長した私は彼に自分の運命を聞き、愕然としました、案の定父は病気で亡くなり会社は倒産、母も後を追うように亡くなりました、一人残された私は当然のごとく、彼の婚約者としての道を歩むことになりました」

まりかは涙を拭いながら話しを続けた。