お前を奪い返す〜俺様御曹司の独占欲が燃え上がる
「公私混同するな、花嫁候補じゃないんだぞ」

「花嫁候補か、兄貴は花嫁候補の募集しろよ、俺は秘書の募集かけるから」

「話にならん、お前どうしても秘書欲しいんなら勝手にしろ、そのかわりちゃんと責任取れよ」

「わかってるって、サンキューな社長」

こいつはこんな時くらいしか俺を社長と呼ばない。

花嫁候補か。

バカバカしいと思っていたが悪くないかもしれない。

ところが……

やっぱりバカバカしかった。

誰一人として応募してくる女などいなかった。

健斗の秘書は、一人の募集に対して三十人の応募が殺到した。

そんな矢先、俺の花嫁候補に応募してきた女がいた。

美咲まりか、四十歳だった。

履歴書の写真はいつのを使ってるんだと思うほど若かった。

四十歳だろ、十年前の写真でも貼り付けたのか。

それに、花嫁候補って絶対魂胆丸出しだろ。

でもとりあえず会ってみることにした。
「社長、花嫁候補の美咲まりかさんがお見えになりました」

「応接室に通してくれ、すぐ行く」

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