お前を奪い返す〜俺様御曹司の独占欲が燃え上がる
全く無駄な時間を割くことになってしまった。

どうせ断るんだから、会う必要なかったと自分の行動を反省した。

応接室のドアをノックするも、返事がない。

ドアを開けて部屋を覗くと誰もいない。

どう言うことだ。

カーディガンが机の上に置いてある。

どこに行ったんだ。

しばらくすると、美咲まりかが戻ってきた。

応接室のドアを開けて「ああ、緊張する、でもやっと会えるんだ、嬉しい」

と言葉を口に出していた。

えっ、それって心の声だろ、駄々漏れだけど。

それに写真のままだ、四十には見えないな。

彼女は俺を目視して驚いた表情を見せた。

「あっ、すみません、おトイレ行きたくなっちゃって」

「別に大丈夫、座って」

彼女は俺の顔をじっと見つめながら座った。

「なんて素敵なの、やっぱりかっこいい」

おい、なんだ、こいつ、心の声が口に出るタイプか。

「えっと、理由聞かせてもらおうか」

「理由ですか」

「そう、応募してきた魂胆」

「魂胆?」

「何か企んでるだろう」

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