お前を奪い返す〜俺様御曹司の独占欲が燃え上がる
その様子に神野さんは気づき、私と東洋さんが抱き合っていると錯覚した。

私はギュッと抱きしめられて動くことが出来なかった。

東洋さんは私の肩越しに神野さんを見下ろし、不敵な笑みを浮かべた。

そしてカーテンを閉めた。

そして私をさらに強く抱きしめた。

「離してください」

「まりか、君は彼に見放されたんだよ、僕の妻になるんだ」

そんな、ずっと側にいていいと言ってくれたのに、神野さん、あの言葉は嘘だったんですか?

私を好きになってほしいなんて思ってない、私が大好きになった神野隼斗と言う男性の側にいたいだけなのに……

それも叶えてもらえないの?

私はベッドに横になり、布団を被って泣いた。

あれは東洋とまりかだった。

まりか、どう言うことだ。

俺は東洋を訪ねた。

まりかの病状も気になるが、二人の関係も気になる。

「神野さん、病院の周りをウロウロされては困りますね」

「まりかの病状はどうなんだ」

「まりかと何の関係もないあなたにお話することは出来ません」

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