お前を奪い返す〜俺様御曹司の独占欲が燃え上がる
十八さいの時、友達の紹介で知り合った彼女は、たまに会って映画を観に行ったり、買い物に出かけたりで、好きだと言う感情はなかった。

愛の言葉を囁いたり、囁かれたりもなかった。

俺の気づかないうちに振られた。

訳も分からずに。

その後、大学時代の先輩にキャバクラに連れて行かれて、キャバ嬢相手に初体験した。

なんの感情もなかった。

だから、まりかに対する気持ちには戸惑いを覚えている。

これが愛なのか、これが惚れたと言うことなのか。

俺の中で燃え上がっている気持ちをどうすることも出来ずにいた。

「リカ、まりかの退院はいつだ」

「まだ、分からないわ」

「こっちの病院に戻すことは出来ないのか」

「それは出来ないわ、全て東洋先生に託すというのが、手術を受ける条件だったから」

「まりかの様子を知る方法はないのかよ」

悪戯に時は流れた。

俺は成す術もなく途方に暮れていた。

そんな時、俺宛に一通の手紙が届いた。

差出人はまりかだった。

< 50 / 70 >

この作品をシェア

pagetop