お前を奪い返す〜俺様御曹司の独占欲が燃え上がる

「リカ先生、私はこのまま隼斗さんに辛い、悲しい思いをさせるんじゃないですか、私はこのままだと隼斗さんになにもしてあげられません」
「いいんじゃないの、隼斗におんぶに抱っこで」

「えっ？」

「隼斗がここまで本気になったのは、まりかさんが初めてなのよ」

私は黙ってリカ先生の話を聞いていた。

「隼斗は本気で恋したことがないのよ、十八歳の時に彼女に振られて、
それから心が動いてなかった、死んでたも同然だったのよ」

「そんな……」

「なにを考えてるかさっぱりわからないって、悩んでたわ、隼斗には駆け引きは通用しないのよ、相手が言葉にしたことが全てなの、だからまりかさんのように真っ直ぐにぶつかってくる女性ははじめてだった、あなたの気持ちが手に取るようにわかって、心地よかったのね」

そうだったんだ。

「隼斗の気持ちも口にした言葉が、嘘偽りない本当の気持ちよ」

「リカ先生、ありがとうございました」

リカは医局で待っていた俺の元に戻ってきた。

「まりかさんのところに行ってあげて」