あきれるくらいありふれたこと
「おい。会社を巻き込むな。無駄な残業はしてない。仕事だからしなきゃならないだろ。」

「啓吾、本当に無駄な残業では無いと言いきれるの？　私、聞いてるよ。伊藤さんの資料作りでいつも残ってるって。
あなたの仕事では無いでしょう。
作ってあげるのは仕事をフォローするとは言わないでしょ。」

「全く。みちるはやっぱり仕事も出来ないのか。家事もろくに出来ないから要領が悪いのは分かってたけど。
オレも家に連絡して結納キャンセルしなきゃ。
お前早くここを出てけよな。実家に帰ったほうが良いと思うよ。」

「アキ、婚約解消するつもりなの？」

「当たり前。家事も出来ない、仕事も出来ない。浮気はいっちょ前にするって、結婚する気は無くなるだろ。」

「アキさん、夫がご迷惑をお掛けしました。申し訳ございません。でも、私と違って結婚前に分かって良かったでは無いですか。
私はこれから仕事も探して一人で子供を育てて行かなくてはいけないんです。」



ついつい、愚痴をこぼしてしまった。
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