素敵な天使のいる夜にー4th storyー
反動
ーSide 紫苑ー
大学受験を終えた安心感からか、今までの疲労が沙奈に蓄積され3月に高校を卒業してから家から出ることが難しくなっていた。
大学受験が終わった日に、大翔は沙奈の診察に来てくれた。
「今までの頑張りが一気にきたのかもしれないな。
かなり、体に負担をかけてしまったからしばらくの間は安静にしていた方がいい。」
高校に入ってから、病気が見つかり、父親とのこともあり沙奈にはかなりの負担をかけてしまった。
だけど、沙奈のその苦労があったからこそ前向きに病気と向き合うことができていると思う。
今日は休みの日。
時刻を確認すると、10時をまわっていた。
昨日早めに眠りについた沙奈を起こすため、沙奈の部屋へ向かった。
部屋のドアをノックし、沙奈の部屋に入る。
規則正しい呼吸で眠る沙奈の姿を見ると心から安心することができる。
入院中は、何かあっても大丈夫なように翔太と交代で沙奈の側についていた。
正直、1人で眠らせておくことが心配でたまらない。
俺の隣で、眠ってほしいと思うけど沙奈に嫌われたくないからな…。
高校卒業してから、大翔と一緒に同棲を始める予定で、その事も楽しみに頑張って来たのにな。
「…紫苑。」
沙奈の髪を撫でていると、沙奈はまだ怠そうな身体を半分起こした。
そんな沙奈が倒れないように、俺は沙奈の後ろへ回った。
「そんなに介抱しなくても大丈夫なのに。」
ふらつく体を見る限り、あまり大丈夫には見えないんだよな…
そう、突っ込みたいところだったけど今は沙奈を後ろから包み込む。
「紫苑?」
「沙奈は大丈夫と言うほど無理をしてしまうからな。
気分は悪くないか?
体調のこと、詳しく教えて。」
俺が大丈夫かと聞くと、必ず大丈夫と答えてしまう沙奈には、いつも自分から症状を話せるような質問で沙奈に尋ねていた。
病院が嫌いな沙奈にとっても、自分の症状を話すことができれば少しは病院へ行くことへの気持ちも変わってくると思うんだ。
前に自分の症状を、話すことが苦手だから病院へあまり行きたくないと話していたからな…。
「今は、身体がだるいぐらいかな…
あと、昨日眠る前に寒気がしたくらいで…」
沙奈の額に手を当てると、昨日よりも確実に熱を持っていることが分かった。
「とりあえず、体温測ろうか。」
俺の言葉を、素直に聞き入れてくれて沙奈は体温計を挟んだ。
それからまもなく、体温計は鳴り体温計を取った。
「何度?」
「37.8℃。
沙奈、横になって。」
沙奈の平熱は大体が35度くらいか、それを下回るくらいだから、今相当辛いはず。
普通の体温の人からしたら、39度に近いくらいの熱があることになる。
「ありがとう、紫苑…
本当は、起きてるのちょっと辛かったんだ…
紫苑の手、冷たくて気持ちいい。」
さっきまで洗い物をしていて、完全に冷えた俺の手を沙奈は自分の額に当てていた。
そんな沙奈の、予想もしなかった行動にうるさいくらい心臓が音を立てる。
自分の気持ちを抑えることに必死になっていると、沙奈は再び深い眠りへ落ちていた。
大学受験を終えた安心感からか、今までの疲労が沙奈に蓄積され3月に高校を卒業してから家から出ることが難しくなっていた。
大学受験が終わった日に、大翔は沙奈の診察に来てくれた。
「今までの頑張りが一気にきたのかもしれないな。
かなり、体に負担をかけてしまったからしばらくの間は安静にしていた方がいい。」
高校に入ってから、病気が見つかり、父親とのこともあり沙奈にはかなりの負担をかけてしまった。
だけど、沙奈のその苦労があったからこそ前向きに病気と向き合うことができていると思う。
今日は休みの日。
時刻を確認すると、10時をまわっていた。
昨日早めに眠りについた沙奈を起こすため、沙奈の部屋へ向かった。
部屋のドアをノックし、沙奈の部屋に入る。
規則正しい呼吸で眠る沙奈の姿を見ると心から安心することができる。
入院中は、何かあっても大丈夫なように翔太と交代で沙奈の側についていた。
正直、1人で眠らせておくことが心配でたまらない。
俺の隣で、眠ってほしいと思うけど沙奈に嫌われたくないからな…。
高校卒業してから、大翔と一緒に同棲を始める予定で、その事も楽しみに頑張って来たのにな。
「…紫苑。」
沙奈の髪を撫でていると、沙奈はまだ怠そうな身体を半分起こした。
そんな沙奈が倒れないように、俺は沙奈の後ろへ回った。
「そんなに介抱しなくても大丈夫なのに。」
ふらつく体を見る限り、あまり大丈夫には見えないんだよな…
そう、突っ込みたいところだったけど今は沙奈を後ろから包み込む。
「紫苑?」
「沙奈は大丈夫と言うほど無理をしてしまうからな。
気分は悪くないか?
体調のこと、詳しく教えて。」
俺が大丈夫かと聞くと、必ず大丈夫と答えてしまう沙奈には、いつも自分から症状を話せるような質問で沙奈に尋ねていた。
病院が嫌いな沙奈にとっても、自分の症状を話すことができれば少しは病院へ行くことへの気持ちも変わってくると思うんだ。
前に自分の症状を、話すことが苦手だから病院へあまり行きたくないと話していたからな…。
「今は、身体がだるいぐらいかな…
あと、昨日眠る前に寒気がしたくらいで…」
沙奈の額に手を当てると、昨日よりも確実に熱を持っていることが分かった。
「とりあえず、体温測ろうか。」
俺の言葉を、素直に聞き入れてくれて沙奈は体温計を挟んだ。
それからまもなく、体温計は鳴り体温計を取った。
「何度?」
「37.8℃。
沙奈、横になって。」
沙奈の平熱は大体が35度くらいか、それを下回るくらいだから、今相当辛いはず。
普通の体温の人からしたら、39度に近いくらいの熱があることになる。
「ありがとう、紫苑…
本当は、起きてるのちょっと辛かったんだ…
紫苑の手、冷たくて気持ちいい。」
さっきまで洗い物をしていて、完全に冷えた俺の手を沙奈は自分の額に当てていた。
そんな沙奈の、予想もしなかった行動にうるさいくらい心臓が音を立てる。
自分の気持ちを抑えることに必死になっていると、沙奈は再び深い眠りへ落ちていた。
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