素敵な天使のいる夜にー4th storyー
図書室のいつもの席に腰を下ろすと、隣に音羽がゆっくり椅子を引き座った。
「沙奈。大丈夫?」
「…うん。大丈夫だよ。」
少しだけ、身体が怠いし熱い気がする…
だけど…
来週までに提出しなければいけない事前学習を少しでも進めたい。
「沙奈…。ちょっとおでこ触るよ…」
音羽にそう言われ、あまりにも真っ直ぐに見つめられる視線から抵抗できなかった。
音羽は、自分のおでこを私のおでこに当てていた。
「やっぱり…」
「えっ?」
「沙奈、講義中からずっと様子がおかしかったでしょ…。
おでこ、私より温かいってことは今熱あるでしょ?」
「沙奈、音羽。ここにいたのか…。って、沙奈!?大丈夫か?」
「瑛人…」
「瑛人、体温計持ってる?沙奈、熱があるかもしれないから…」
「沙奈、ごめん。ちょっと、体温計入れるからな。」
それからしばらくすると体温計が鳴り、瑛人はそっと体温計を取った。
「やっぱり…」
「38度!?
沙奈の平熱って、35度くらいだよね…
私達からしたら、40度近い熱があるじゃない!」
あれ…
熱を測ったからかな…
さっきから2人が歪んで見える…
ずっと、自分に大丈夫って言い聞かせてきたけど…
とっくに、我慢の限界が来ていたのかもしれない…
「沙奈!!」
私は、音羽の呼ぶ声に反応出来ず気づいたら意識を手放していた。