素敵な天使のいる夜にー4th storyー
ーSide 大翔ー
外来の診察をしていると、プライベートで使っている携帯が鳴った。
相手は沙奈からで、一気に血の気が引くのを感じた。
俺が仕事中に、沙奈から電話をかけてくるのは滅多にない。
俺と一緒に暮らし始める前に紫苑から
『もし、仕事中に沙奈から電話があったとしたら、体調が悪い時で、音羽や瑛人からそのことを伝えられるかもしれない。』
以前にも、そのようなことがあったみたいで、大体その時は体調が最悪に悪いこと。
そう、紫苑から聞いていた。
今回も、同じように沙奈の携帯で音羽ちゃんか瑛人君から沙奈の体調が悪いことを知らされていた。
「沙奈!どうかしたのか!」
「音羽です。沙奈、38度の熱があって、今意識も朦朧としてます。すぐに迎えに来ていただけませんか?」
38度って…
「分かった。すぐに迎えに行く。」
俺は、紫苑と翔太にすぐ連絡をしてから白衣を着たまま病院を飛び出していた。
沙奈の大学へ向かうと医務室に案内された。
ベッドに横たわる沙奈の姿。
「大翔先生。」
「音羽ちゃん。瑛人君も。2人とも連絡してくれてありがとう。」
「沙奈。少し疲れが出たのかもしれません。」
「そうか…」
慣れない大学生活に、難しい講義。
追いつくことでさえ精一杯だった上に、小児科の加須見先生と会って、沙奈にたくさんの負担がかかってしまった。
注意深く、沙奈に無理をさせないようにと見守って来たけど。
甘かったのかもしれない。
沙奈と出会って3年。
俺は、いつだって沙奈の無理に気づくことが出来なかった。
そんな後悔に負われていると…
「大翔先生。あまり自分を責めないで下さい。」
瑛人君にそう言われ思わずハッとした。
「沙奈…。決して無理なんてしてないと思います。
少し、上の空な時もあって身体にも心にも負荷をかけてしまう時もありますけど…
今度の実習は、沙奈の本命である精神科病棟の実習だったので、頑張りたかったんだと思います。
だから、今まで発作のコントロールをして、大翔先生の治療もちゃんと受けて、この実習に望みたかったんだと思います。」
そうだったな…
たしか、沙奈は心の治療ができる医者になりたいと可愛い笑顔で話してくれたことがあったよな。
あの時は、紫苑や翔太に大学の道へ進んでもいいのか。
自分の夢を叶えようと大学へ進んでもいいのかたくさん悩んでいたんだよな…
沙奈の覚悟はそんな甘いものではなくて。
大学に入ってからも、変わらずに辛いはずの治療に専念してくれていたから、今まで大きな発作や体調を崩すことなく講義も受けることが出来ていた。
「沙奈の努力…。絶対に無駄にはさせないからな…」
熱で意識が朦朧としている沙奈を抱き上げ声をかけた。
「大翔先生…。沙奈のこと、よろしくお願いします。」
「あぁ。任せて。
そうだ…
これ、俺の連絡先。
また、同じように沙奈に何かあったらすぐに連絡をしてほしい。」
大学で沙奈が皆と平等に講義が受けられるようにするためにも2人の協力が必要で、1番近くにいてくれるからこそ沙奈の小さな変化を見逃さないでいてくれている。
どんな時でも、幼なじみの存在は沙奈の支えにもなってくれている。
「分かりました。沙奈の様子がおかしかったり無理をしようとしていたら必ず連絡をします。」
「私も。沙奈に無理はさせたくないので。」
心強い沙奈の幼なじみがいてくれれば俺も安心できる。
沙奈のために遅くまで残ってくれていた2人を家へ送り届けてから帰宅した。
外来の診察をしていると、プライベートで使っている携帯が鳴った。
相手は沙奈からで、一気に血の気が引くのを感じた。
俺が仕事中に、沙奈から電話をかけてくるのは滅多にない。
俺と一緒に暮らし始める前に紫苑から
『もし、仕事中に沙奈から電話があったとしたら、体調が悪い時で、音羽や瑛人からそのことを伝えられるかもしれない。』
以前にも、そのようなことがあったみたいで、大体その時は体調が最悪に悪いこと。
そう、紫苑から聞いていた。
今回も、同じように沙奈の携帯で音羽ちゃんか瑛人君から沙奈の体調が悪いことを知らされていた。
「沙奈!どうかしたのか!」
「音羽です。沙奈、38度の熱があって、今意識も朦朧としてます。すぐに迎えに来ていただけませんか?」
38度って…
「分かった。すぐに迎えに行く。」
俺は、紫苑と翔太にすぐ連絡をしてから白衣を着たまま病院を飛び出していた。
沙奈の大学へ向かうと医務室に案内された。
ベッドに横たわる沙奈の姿。
「大翔先生。」
「音羽ちゃん。瑛人君も。2人とも連絡してくれてありがとう。」
「沙奈。少し疲れが出たのかもしれません。」
「そうか…」
慣れない大学生活に、難しい講義。
追いつくことでさえ精一杯だった上に、小児科の加須見先生と会って、沙奈にたくさんの負担がかかってしまった。
注意深く、沙奈に無理をさせないようにと見守って来たけど。
甘かったのかもしれない。
沙奈と出会って3年。
俺は、いつだって沙奈の無理に気づくことが出来なかった。
そんな後悔に負われていると…
「大翔先生。あまり自分を責めないで下さい。」
瑛人君にそう言われ思わずハッとした。
「沙奈…。決して無理なんてしてないと思います。
少し、上の空な時もあって身体にも心にも負荷をかけてしまう時もありますけど…
今度の実習は、沙奈の本命である精神科病棟の実習だったので、頑張りたかったんだと思います。
だから、今まで発作のコントロールをして、大翔先生の治療もちゃんと受けて、この実習に望みたかったんだと思います。」
そうだったな…
たしか、沙奈は心の治療ができる医者になりたいと可愛い笑顔で話してくれたことがあったよな。
あの時は、紫苑や翔太に大学の道へ進んでもいいのか。
自分の夢を叶えようと大学へ進んでもいいのかたくさん悩んでいたんだよな…
沙奈の覚悟はそんな甘いものではなくて。
大学に入ってからも、変わらずに辛いはずの治療に専念してくれていたから、今まで大きな発作や体調を崩すことなく講義も受けることが出来ていた。
「沙奈の努力…。絶対に無駄にはさせないからな…」
熱で意識が朦朧としている沙奈を抱き上げ声をかけた。
「大翔先生…。沙奈のこと、よろしくお願いします。」
「あぁ。任せて。
そうだ…
これ、俺の連絡先。
また、同じように沙奈に何かあったらすぐに連絡をしてほしい。」
大学で沙奈が皆と平等に講義が受けられるようにするためにも2人の協力が必要で、1番近くにいてくれるからこそ沙奈の小さな変化を見逃さないでいてくれている。
どんな時でも、幼なじみの存在は沙奈の支えにもなってくれている。
「分かりました。沙奈の様子がおかしかったり無理をしようとしていたら必ず連絡をします。」
「私も。沙奈に無理はさせたくないので。」
心強い沙奈の幼なじみがいてくれれば俺も安心できる。
沙奈のために遅くまで残ってくれていた2人を家へ送り届けてから帰宅した。