素敵な天使のいる夜にー4th storyー
ーSide 大翔ー
沙奈が発作を起こして倒れたと聞いた時、大学の先生から沙奈の状態を聞いていち早く沙奈に会いたかった。
医務室で苦しい表情で眠る沙奈の姿を久々に見た。
今までは発作なんて起きなかったのにな…
きっと今までの疲れが溜まって発作に繋がったんだろう…
今すぐにでも抱きしめたかったけど沙奈の身体の負担を考えると抱きしめることができなかった。
それから…
医務室で沙奈のことを助けてくれたのが加須見先生だったことに驚きを隠せなかった。
沙奈は、俺の事を心配させないようにと大丈夫と言ったけど背中からは震えていることが分かる。
どれだけ、自分に大丈夫と言い聞かせていたとしても過去を完全に乗り越えることは難しい。
その心の傷が深く刻まれれば刻まれるほど。
沙奈の中にある恐怖心は消えることはないと思う。
過去に囚われたくないという気持ちと、加須見家に縛られる血縁の恐怖心が沙奈の小さな身体の中で葛藤している。
それに…
1度、命を狙われているんだから尚更…
「沙奈。無理に大丈夫なんて言うな。
本当は怖かったんだろう。」
「大翔先生…
本当は怖かった。喘息の発作が起きた時、あの先生に背中に手を当てられて完全に冷静さを失ってた…
いつもは、ちゃんと吸入出来てたのに焦ったせいか全然吸入なんて出来なかった…」
「沙奈、この人の講義はあと何回あるんだ?」
「今日から全部で15講義あるから15回ある…」
「そうか…。全部担当しているんだな…」
俺の言葉に沙奈は頷いた。
「とりあえず、講義は受けないと単位は取れないから…。
今日はちゃんと最後まで授業受けられたから前みたいに過呼吸とかは起こさないと思う。
大翔先生、また心が不安定になっちゃうかもしれないけど何かあったら大翔先生のこと頼ってもいい?」
「当たり前だ。沙奈、いつでも何かあった時は第1に俺の事を頼って。何も気を使ったりしないでほしい。もし、少しでも辛いって感じたら遠慮なく俺に連絡して。約束してくれる?」
「うん!」
よかった…
とりあえず今俺に出来ることをやっていこう。
慣れない環境で、ずっと頑張ってきたから発作にも繋がってしまったんだろうから…
今は沙奈がゆっくり休めるように環境を整えていこう。
これ以上、沙奈の心と体調が悪化しないように。
それから、今日のことは紫苑と翔太に話しておくか。
「沙奈、今日のことで紫苑と翔太に話をしようと思うんだけどいいかな?」
「…うん。大丈夫。」
「あまり心配かけたくないっていう気持ちも分かるけど2人は沙奈の家族であって、いつも沙奈のこと気にかけてるから。」
「離れた今でも?」
「ああ。仕事終わりに時々沙奈の様子を見に来てくれているだろ。俺の事信じて沙奈のことを託してくれているけど、妹離れが完全に出来たわけじゃないからな。
それ以前に、例え離れたとしても沙奈は2人の大切な家族であることは変わりないよ。」
「…そっか。」
沙奈は、俺に笑いかけてくれた。
「…可愛いな。沙奈は。」
俺の一言に、沙奈の頬がピンク色に染まっていた。
この恥ずかしがり屋な所も、照れ屋なところも沙奈の可愛いところの1つ。
正直、この表情は俺の中だけにとどめておきたいくらいだ。
「身体の調子も大丈夫そうだから、今日はもう帰ろうか。」
「うん。」
俺は沙奈の手をそっと取り、車で家へ帰った。
沙奈が発作を起こして倒れたと聞いた時、大学の先生から沙奈の状態を聞いていち早く沙奈に会いたかった。
医務室で苦しい表情で眠る沙奈の姿を久々に見た。
今までは発作なんて起きなかったのにな…
きっと今までの疲れが溜まって発作に繋がったんだろう…
今すぐにでも抱きしめたかったけど沙奈の身体の負担を考えると抱きしめることができなかった。
それから…
医務室で沙奈のことを助けてくれたのが加須見先生だったことに驚きを隠せなかった。
沙奈は、俺の事を心配させないようにと大丈夫と言ったけど背中からは震えていることが分かる。
どれだけ、自分に大丈夫と言い聞かせていたとしても過去を完全に乗り越えることは難しい。
その心の傷が深く刻まれれば刻まれるほど。
沙奈の中にある恐怖心は消えることはないと思う。
過去に囚われたくないという気持ちと、加須見家に縛られる血縁の恐怖心が沙奈の小さな身体の中で葛藤している。
それに…
1度、命を狙われているんだから尚更…
「沙奈。無理に大丈夫なんて言うな。
本当は怖かったんだろう。」
「大翔先生…
本当は怖かった。喘息の発作が起きた時、あの先生に背中に手を当てられて完全に冷静さを失ってた…
いつもは、ちゃんと吸入出来てたのに焦ったせいか全然吸入なんて出来なかった…」
「沙奈、この人の講義はあと何回あるんだ?」
「今日から全部で15講義あるから15回ある…」
「そうか…。全部担当しているんだな…」
俺の言葉に沙奈は頷いた。
「とりあえず、講義は受けないと単位は取れないから…。
今日はちゃんと最後まで授業受けられたから前みたいに過呼吸とかは起こさないと思う。
大翔先生、また心が不安定になっちゃうかもしれないけど何かあったら大翔先生のこと頼ってもいい?」
「当たり前だ。沙奈、いつでも何かあった時は第1に俺の事を頼って。何も気を使ったりしないでほしい。もし、少しでも辛いって感じたら遠慮なく俺に連絡して。約束してくれる?」
「うん!」
よかった…
とりあえず今俺に出来ることをやっていこう。
慣れない環境で、ずっと頑張ってきたから発作にも繋がってしまったんだろうから…
今は沙奈がゆっくり休めるように環境を整えていこう。
これ以上、沙奈の心と体調が悪化しないように。
それから、今日のことは紫苑と翔太に話しておくか。
「沙奈、今日のことで紫苑と翔太に話をしようと思うんだけどいいかな?」
「…うん。大丈夫。」
「あまり心配かけたくないっていう気持ちも分かるけど2人は沙奈の家族であって、いつも沙奈のこと気にかけてるから。」
「離れた今でも?」
「ああ。仕事終わりに時々沙奈の様子を見に来てくれているだろ。俺の事信じて沙奈のことを託してくれているけど、妹離れが完全に出来たわけじゃないからな。
それ以前に、例え離れたとしても沙奈は2人の大切な家族であることは変わりないよ。」
「…そっか。」
沙奈は、俺に笑いかけてくれた。
「…可愛いな。沙奈は。」
俺の一言に、沙奈の頬がピンク色に染まっていた。
この恥ずかしがり屋な所も、照れ屋なところも沙奈の可愛いところの1つ。
正直、この表情は俺の中だけにとどめておきたいくらいだ。
「身体の調子も大丈夫そうだから、今日はもう帰ろうか。」
「うん。」
俺は沙奈の手をそっと取り、車で家へ帰った。