新・Sなお前とヤケクソな俺



『えっ!?あ、あれ?何でいるの?職員室は?』

「行ったよ」

『早かったんだね』

「うん、何か言われたけど聞いてなくて気付いたら終わってたから。だから来ちゃった」

『へ、へぇ〜』

「顔赤いけどどうしたの?」

『別に!』

顔を覗き込まれそうになったけど俺は再び颯太の方を向いた



「うっ……相変わらずお美しい」

颯太が朔夜に見惚れた


『来るなら来るって連絡くれれば俺中庭に行ったのに』

「ん?別にいいじゃない」

『ただでさえ3年が教室に来るってだけで目立つんだから!』

「?何を今更……」


「違うんです先輩。実は……」

さっきした転入生の話を颯太は朔夜に説明した





「転入生?」

「そうなんですよ。それで憂が萎縮しちゃってて」

『べ、別にビビッてねーし!』

「そっか、颯太君は憂から色々聞いてるんだね」

「はい、まぁ」

「憂はちょっと色々あり過ぎたからそうなるのも仕方ないよ。1年だけど年上か……本来なら俺と同じ3年なんだって?」

「そうらしいっす」

「ふーん。で、いつぐらいに来るの?」

「それはまだはっきりとは……」

『きっと大丈夫だって!そう言う人って結局あんま学校来ないだろ?それに暴力沙汰とかって同じ感じの奴と揉めたりするじゃん!俺みたいな弱そうな奴に敢えて突っかからないでしょ』





「それもそうだな」

「うん、憂はか弱いからね……」

納得されてしまうと何かちょっぴり悲しい
やはり俺にはダンベルが必要だ



「次の授業は何?」

いきなり朔夜に聞かれた

『え?次は……颯太何だっけ?』

「世界史だろ?」

「サボっても問題ない?」

『大丈夫だと思うけど何で?』

「よし、じゃあ行こう」

そう言って朔夜に手を引かれた

『えっ!?ちょっ何処に!?』

「颯太君、ちょっと憂連れて行くね」

「どーぞどーぞご遠慮なく」

『ええっ!?』

「ありがとう」



そして段々颯太が遠くなって行く……
こっちに手を振りつつもう片方の手でグッジョブされた

ってだから注目され過ぎだからっ!






そしてそのまま連れて来られた場所は図書室
何故か鍵は開いてて相変わらず誰もいなかったんだ

「知ってた?図書当番がなくなった代わりに放課後以外にも開放してる事……」

『そうなの?』

「さっき俺のクラスの図書委員から聞いてさ」

朔夜のクラス……きっと図書委員長だ
ってかそんな事俺は聞いてないぞ!

「次の委員会で言うらしいよ」

『そうなんだ。ってか何でそんな事聞いたの?』

「んー?や、誰も来ない場所って言ったらここじゃない?だから開いてるのかなー?って思って」

『何でそんな事を……』

図書室の扉が閉まった瞬間ギュッと抱き締められた




「……こうする為?」

『……』

自分の顔がぶわわわわって熱くなるのが直ぐにわかった

『こ、ここ学校!』

「知ってる」

『誰かに見られる!』

「誰も来ないよ」

『もしかしたらどっかのクラスが次の授業で使うかも!』

「大丈夫だよ。使わない」

『だけど!』

「もう黙って」

『んんっ!』

キスで塞がれ何も喋れなくなってしまった


「こうしたかった」

『……昨日ずっとしてたじゃんか』

「場所が変わればまた違うよ」

『意味わかんねー』

「ははっ」

誰も来ない図書室で朔夜と一緒にサボっていちゃいちゃ

恥ずかしいけどちょっと嬉しいや

.
< 104 / 137 >

この作品をシェア

pagetop