新・Sなお前とヤケクソな俺
あれ?実はいい人……?
無事空腹を満たす事が出来た俺はぼーっとさっきの出来事を思い出していた
……いかんいかん、早く中庭に行かなくちゃ
そう思いながら小走りで中庭に向かっていると、廊下の曲がり角で出てきた人とまたぶつかりそうになった
『あっ!』
「あ?何ださっきのチビか」
またあんたかよっ
ヤバイヤバイと内心思いつつ、さっきの事を思い出しお礼を言う事にした
『あの……さっきはありがとうございました!おかげで無事昼飯買えました』
「あっそ」
『……』
素っ気ない返事をされたけど無視はされなかった
よし、取り敢えずお礼は言えたし行くか
『じゃあ……』
そう言ってその場を離れようとした時……
「待て」
と、首根っこを掴まれた
「お前、ちょっくら来いや」
『……………』
「ぷはーっ生き返る」
体育館の裏で俺は何故かヤンキー転入生といた
い、一体何故こんな事に……
『あの、俺ちょっと用事がありまして……』
「一服ぐらい付き合え」
ええーっ
うっ煙草の煙がこっちに来る
俺の隣でお構いなしに煙草をプカプカ吸ってるヤンキーさん
ってか学校で吸うなよ!しかもあんた未成年だろーが!!とは絶対言えなくて
「お前1年?」
『え?は、はい』
「じゃあこれ吸い終わったら案内頼むわ」
『案内?』
「教室出てったのはいいんだけどよー、戻ろうと思っても1年とこがどこかわかんなくなっちまって困ってんだよ」
つまり出てったまま戻って来なかったのはただ迷子になってただけ……
『……っ』
この見た目で迷子という言葉が似合わな過ぎて思わず笑いそうになった
危ない危ない
『今日転入して来たんですよね?あの、俺同じクラスなんで』
「そーなのか?」
『はい、えーっと確か……かつ?あれ?』
「勝哉」
『あ、そうでしたね!すいません』
「おー」
普通に話してる事にびっくりした
この人やっぱり見た目が悪いだけで話してみると案外普通かも
ってか遅れるって早く朔夜に連絡しなきゃ
そう思って携帯……と思ったら教室に携帯を忘れて来た事に気付いた
あちゃー……やらかした
俺が来ないと思うときっと教室まで来るに違いない
「……よし、じゃあ行くか!」
『ちょっ吸い殻……』
「あー?」
『ご、ごめんなさい』
「チッうるせー奴だな」
勝哉さんは面倒臭そうに足を使って吸い殻を土に埋めた
や、そういう事じゃない
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