新・Sなお前とヤケクソな俺
「昨日は何故来なかったのですか?」
生徒会室で勝哉と向き合って座る尾澤
「別にこんな所で話さなくてもよくねーか?」
「質問に答えて下さい」
「そんなカリカリしてないでリラックスリラックス!」
「はぁ……」
頭を抱えながら溜息を吐く
「全く貴方という人は……転入早々喧嘩ばかりして。昨日もしましたね?」
「俺は悪くねーからな!先に手ぇ出して来たのは向こうだ」
「ですが貴方は無傷です」
「そうだろ?俺って強ぇーんだよ。やられてたまるかっての!」
「何故話し合いで解決出来ないのですか?」
「それは相手に言いやがれ。逆に何で俺が呼び出されねーといけない訳だ?あ?」
「相手の子が立てなくなる程貴方がやり過ぎるからです」
「あー何言ってるかわかんねぇし聞こえねぇ」
「聞いて下さい!」
全く人の話を聞く態度じゃない勝哉に尾澤は呆れた
「あのよー会長さん、あんまクドクド言うと自分が疲れちまうぞ?ほれ見てみろ、眉間にシワが寄っちまってさー。第一こんなのは先公の仕事だろ?あんたが言う事じゃねーだろ」
「私は個人的に暴力を好みませんので」
「堅物な奴だなー」
「堅物で結構。それとあともう1つ……」
「あ?まだ何かあんのかよ」
「憂君には決して手を出さないで下さい」
「チビ助?」
「チビ助ではなく憂君です」
「それを何でてめぇーに言われなきゃならねーんだ」
「憂君には朔夜がいますので」
「朔夜?ああ、あの銀髪か。って事はやっぱりあいつらデキてんの?」
「……わかりましたね?」
「それこそあんたが言う事じゃなくね?」
「貴方が憂君に手を出すとどうなるか目に見えてますので」
「へぇ……」
真剣な顔をした尾澤を見て、さっきまでヘラヘラしていた勝哉は真顔になった
目が合ったまま暫く沈黙が続いた
「……いっ!」
そして勝哉は尾澤にデコピンをかました
「だからてめぇーは眉間にシワが寄り過ぎなんだっての!」
「な、何をっ!」
予想外の出来事に尾澤は目を丸くした
「はっ!いい顔出来るじゃねーか」
「えっ?」
「会長さん、リラックスリラックス」
尾澤の肩をポンっと叩き勝哉は生徒会室を出て行ってしまった
「な、何だあの人は……」
ジンジンと痛むおでこを摩り、尾澤はその場で呆気に取られてしまった
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