新・Sなお前とヤケクソな俺
本屋に行ってからそのまま颯太を家に送る事に……
「ありがとうございました!」
実家の前に到着し車から降りる颯太
『おばさんに宜しく』
「おー!今日はもう親が飯作ってくれてたから無理だったけどまた今度勝哉さんも誘って飯食いに行こうな」
『うん』
「じゃあまた明日。あっ!明日は絶対来いよ!」
『何で?』
「抜き打ちテストがあるかもって噂だ」
『げっ!そうなんだ、ありがとう』
「おー!じゃあな!朔夜先輩お疲れ様でした」
「またね」
家の中に入るのを見届け、朔夜はまた車を走らせた
「……何か食べに行く?」
『ん、どうしよう……楽しかったけど久しぶりだったから何か疲れちゃったし』
「買って帰る?」
『そうしよっかな』
「了解」
特にBGMも掛かってない静かな車内の中で俺はぼーっと朔夜の横顔を見つめた
ほどよく揺れる車の振動が心地良い……
「……憂?」
『………………』
シートベルトに寄り掛かり爆睡中
ドライブスルーがある店に寄り、憂が好きそうな物を適当に買った
起こそうか悩んだけど余りにも気持ち良さそうに寝てるから……
どうしよう
このまま連れて帰りたい所だけど勝手にしちゃうと怒られそうだし
うーん
まぁいいや、お持ち帰りしちゃえ
行く先は自分のマンションへ……
「憂、憂?」
『ん……』
「着いたよ」
朔夜に軽く揺すられ目が覚めた
『着いた……?あ、俺寝てた?』
「うん。とても気持ち良さそうにね」
『マジかー、ごめん』
「いいよ、それぐらい今日は楽しかったんだね」
『ん、ありがとう。じゃあ俺はそろそろ……って』
何故朔夜のマンションの駐車場?
寝ぼけた頭のままぼーっと朔夜を見ていたら意識が段々はっきりしてきた
『あれ?俺んちは……?』
「ん?まぁいいじゃない。取り敢えず降りよう」
『ええっ?』
車から降ろされ、訳が分からないまま朔夜の部屋へ連れて行かれた
『あの……俺、今日泊まるつもりは……』
「はい!どれがいい?」
テーブルの上に並べられていく超美味そうなお食事達
いつの間に……って俺が寝てる時か
『いくらだった?』
「またお金の話!いいから早く食べよう。お腹空いてるでしょ?」
『え?う、うん。ありがとう』
腹ごしらえを済まし、満腹になった俺はいつもの場所でまったり
『じゃあそろそろ帰るよ、今日もありがとう』
「泊まって行きなよ」
『んーそうしたい所だけど明日持って行かねーといけない教科書やらプリントが家にあるんだよな。だから帰らないと』
「そうなの?」
『うん』
「そっかー……じゃあ俺が憂んちに泊まりに行こうかな」
『えっ?』
いきなりそんな事を言い出す
『や、俺んち今ヤバいぐらい散らかってて!お泊まりするんだったら朔夜んちの方が広いし寝る時もゆっくり寝れるし。風呂だってヤバいぐらい狭いしっ』
「前にも泊まった事あるし俺は別に構わないけど?」
『確かに今更だけどあんな狭い布団で朔夜を寝かせる訳には……』
「たまには狭い布団もいいじゃない。その方が引っ付いて眠れるしさ」
さりげなくディスられたけど朔夜んちを知り尽くした俺からすれば本当何か申し訳ない
確かに今夜も朔夜と一緒に居たいって思うけど……
「……ダメ?」
『俺んちマジ汚いよ?』
「知ってる」
『布団狭いよ?』
「それも知ってる」
『ゆっくり風呂入れないよ?』
「そんな事は思わないよ」
『部屋の壁薄いから絶対しないよ?』
「え?」
『じゃあダメ!!』
「嘘だって!明日抜き打ちテストあるんでしょ!?しないしない!」
『本当?』
「……ちょっとだけ?」
『ダメ!!!』
「えーっ」
という訳で今夜は朔夜が俺んちにお泊まり決定
本当今更だけど狭くて恥ずかしいや
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