新・Sなお前とヤケクソな俺
「憂、お前顔死んでるけど大丈夫か?」
『えー?』
次の日学校に行くと颯太にそう言われた
まさか1時間目から抜き打ちテストがあるなんて思わなかった
危うく遅刻する所だったよ
「勝哉さん今日来てねーな、抜き打ちあるかもって昨日教えてあげれば良かった。まさか休むなんて思わなかったから」
『んーまぁ仕方ないよ』
「また連絡先教えてもらおっと……んで、昨日はそのまま先輩と?」
『うん、うち泊まりに来たよ』
「へぇー、本当ラブラブなこった」
『まぁね』
体がダル過ぎていつもよりも返事が適当になってしまう
頭もぼーっとしたままだし今何か聞かれてしまったら普通に色々答えちゃいそう
だけど颯太はそのチャンスを見事に逃した
2時間目が終わった時、欠席だと思っていた勝哉さんが来た
「ねみー!」
「おはようっす!勝哉さんっ今日朝から抜き打ちでしたよ!」
「抜き打ち?あーどうでもいいや」
「昨日はありがとうございました!あと、いきなりですけど連絡先聞いてもいいっすか?」
「おー」
颯太と勝哉さんが仲良さそうに話してる
昨日ですっかりと懐いたもんだ
『おいチビ助、お前携帯は?』
「あっはい!」
流れで俺も勝哉さんと連絡先の交換をした
この感じ……
なんか友達が増えたって感じでフワフワしちゃうよね
「おいチビ助」
『はい?』
「ちょっくら売店行ってカフェオレ買って来てくれ」
『カフェオレですか?』
「おー!チャイム鳴る前に早く行ってこい」
『わ、わかりました』
ってもうすぐチャイム鳴るしっ!
小銭を渡され慌てて売店まで走る事に
……あれ?
違和感を感じながらも売店でカフェオレを買い、急いで戻って勝哉さんに渡した
「サンキュー!よし、もういいぞ」
『あの……』
「あ?」
『何でもありません』
これは俗に言うパシリのような気が……
うん、きっと気のせいだ
「そうだチビ助、昼休みになったら3年の教室に案内してくれよ」
『3年ですか?』
「おー」
『何か用事でもあるんですか?』
「んな事てめぇーには関係ねーんだよ!」
『ご、ごめんなさい』
聞いたら何故か怒られた
3年の教室に一体何の用事があるんだろう?
ってか場所は知ってるけど俺3年の教室なんか行った事ねーし
ちょっと緊張しちゃう……きっと朔夜びっくりするだろうな
そして昼休みになり、早速勝哉さんと2人で3年の教室に向かった
そう言えば勝哉さんって本来3年なんだよな……
なんか変な感じ
『勝哉さん、着きました』
「お?ここか?んで、会長さんは何処だ?」
『尾澤会長?』
「おー」
『だったらそのクラスは違いますよ。こっちです』
いきなり案内しろって言うもんだからまた何か喧嘩するのかと思ったけど
なんだ、勝哉さんの用事は会長だったのか
だったら暴力沙汰は絶対にないな
ふぅっと一息ついて自分もついでに3年のクラスを覗いてみた
えーっと、朔夜は……
その時、朔夜が俺の知らない誰かと楽しそうに話してる姿が見えた
『…………』
「なんだ会長さんいねーじゃんか。っつー事は生徒会室か?お前はあいつ呼ぶのか?」
『いえ、いいです』
どうせもう少ししたら中庭で会う予定だし……
「あっそ。案内サンキュー、んじゃあちょっくら生徒会室捜しに行ってくるわ」
『あ、はい』
そのまま置いて行かれてしまった
全く、本当に自由な人だな
このままここに居るのは気まずいから取り敢えず自分の教室に戻る事にした
そして何となく心がモヤモヤする
朔夜が尾澤会長以外の人と楽しそうに話してる所なんて今まで1度も見た事なかったから
そうだよな、朔夜にだって友達ぐらい……
むぅ……
き、気にするな!
ただクラスメイトと楽しそうにお喋りしてるだけじゃんか!
楽しそうに……
楽しそう……
はぁ
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