新・Sなお前とヤケクソな俺
あ、危な……
先輩が支えてくれなかったら危うく頭をテーブルにぶつけてしまう所だった
ってかこの体勢って……
まるで先輩に押し倒されてるみたいな体勢になってしまっていた
「大丈夫?」
『う、うん。ありがとう』
「……さっきから目を合わせてくれないね」
『そんな事ないし』
「じゃあ俺を見てよ」
『む、無理……』
「待って待って、普通にそれ傷ついちゃうから」
『えっ』
ぱっと先輩と目を合わせた瞬間今度は唇にキスされた
「……なんてね」
ニヤリと笑う先輩を間近で見た瞬間顔がめちゃくちゃ熱くなった
先輩ってマジ美形過ぎる
『今日さ……』
「ん?」
『男同士で付き合うって一体何するのかわからないから、颯太に聞いたんだ』
「颯太くん?……ああ、あの子か」
『俺、誰かと付き合うとかそういう事自体初めてで……えっと、どうしたらいいのか全くわからなくて色々考えてたら不安になっちゃって……』
「色々って?」
『ん……だって俺頭悪いしチビだしポンコツだし根暗オタクだしネガティブ大馬鹿野郎だし。先輩に釣り合う訳ないから……そう思うと何か凹んじゃってさ。
きっと今まで先輩が付き合って来た人ってもっと……』
「次また同じような事言ったら怒るよ」
『ご、ごめん』
先輩の表情が一瞬にして変わった
怒らせてしまった……
自分が言った事に激しく後悔した
でも本当に俺は自分に自信がないんだ
だけど、先輩は俺をぎゅっと抱き締めた
「俺がどれだけ憂の事好きかわかってないでしょ?」
『えっ……』
「誰に何を言われようが俺は憂が好きだから、不安になんてならないでよ」
『先輩……』
「他には?」
『え?』
「他に何か不安に思ってる事はある?あるなら教えて」
『えっと……』
「あるんだね。いいよ、聞くよ」
言おうか言わないかかなり悩んだ。だけど言わないと先輩も不安になってしまうと思ったんだ
『あの……』
「ん?」
『その……男同士の……』
「男同士の?」
『先輩はあの……やっぱ俺とそういう事したいって思うの?』
「…………」
先輩が固まった
『ごめん!やっぱさっきのなし!忘れて!』
めちゃくちゃ恥ずかしくなった俺は一度先輩から離れようとした
だけど、先輩は離してくれなかった
「……本当、いきなり爆弾投下してくるよね」
『え?んんっ!』
押し倒されたまま先輩にキスされ、完全に身動きが取れなくなった
「したいよ」
『……っ』
「俺は憂とそういう事がしたいって思ってるよ……」
先輩……
「だけど無理させたくないから。だから煽るような事はあまり言わないでよ」
そう言って先輩は俺から離れ体を起こした
「でもそういう事も考えてくれてたなんて嬉しいな。釣り合わないとか色々言われたのはちょっとムカついたけど」
『ごめん』
「いいよ。そんなくだらない事1人で抱え込まれる方がもっと嫌だから。話してくれてありがとね」
『うん……』
「キスも少し控えた方がいいのかな……俺、すぐしちゃうし」
『それは大丈夫!だって先輩のキス気持ちいいから……』
俺がそう言うと、先輩は顔を真っ赤にして口元を手で隠した
「だからっ……そう言う事言われると結構やばいんだって」
『ん??』
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