幼馴染が××すぎる。
幼馴染が馴染みすぎる。
「なぁ……俺、犯人わかっちゃったかも」



3人掛けソファの端と、端。



キヤはわざわざリモコンを操作して一時停止すると、

喉をごくりと鳴らして真面目な顔で私を見た。



「…言ってみ?」


私は頬杖をつきながらキヤの話を聞いてあげる。


「料理長だよ!ほら、ハジメ(主人公)の後ろでめっちゃ悪い顔で笑ってんだよ…!コイツだろ!犯人!間違いない!!」

「…なるほど」


私たちがこのミステリーを見始めてまだ15分しか経っていない。

ちなみにこれは映画なので、あと1時間以上ある。


「…な?あーつまんねぇ、もう見る意味ねぇな」

キヤは得意げな顔でリモコンの再生ボタンを押す。

「……あ!?」

そしてリモコンを落とす。

「えぇぇええぇええ!?殺された!料理長が殺され…、えっ!?料理長が犯人じゃねぇのかよ!?」

「違ったみたいだねー」

「嘘だろ…?え?じゃあ誰…?」


頭を抱えてテレビ画面を凝視する短髪の男子。

これ、私の幼馴染、木屋谷 仁栄(キヤタニ ジンエイ)

お察しの通り、アホである。


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