幼馴染が××すぎる。
…なんでよ。


なんでキヤがこのタイミングで怒る?


…意味わかんない


意味わかんない!




キヤの背中が校舎の後ろに消えると、私はギリ、と拳を握った。





「…あっ、姫ー!始めるって……て、姫?」


体育館から出てきたさくらが私の顔を覗き込んだ。


「……なに?」


「……般若」


「なんか言った?」


「いえ」





なぜか姿勢を正すさくらの後に続いて体育館に戻りながら、私は今夜の生姜焼きに何を混ぜてやろうかと考えをめぐらせていた。



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