幼馴染が××すぎる。










「お疲れ様でーす!」


練習が終わり、ササッと制服に着替えた私はまだうだうだする部員たちに声をかけて部室を出る。


「あっ、姫ちゃん待って!うつってくれる?」


顔を少し赤らめて、スマホを示す先輩たち。


「いいですよ」


「やったー♡」



キャーキャー言う先輩達に囲まれて笑顔でポーズをとる。



「ありがと〜!またね、お疲れ♡」


「お疲れ様です」



ニコ、と笑うとまた先輩達の悲鳴に近い歓声が飛んで、内心うるさいなーとか思いながら部室を後にする。



私は昔から背の高さとショートカットと男前な性格のせいで女子にモテる。

それもめっちゃモテる。

加えて最近流行ってる塩顔イケメンの俳優に似てるらしく、女子人気が加速してしまった。

嬉しい3割、めんどい7割。

とは言え女子にモテておけばなにかと便利なので、この立ち位置を逃す手はない。

だから今日も私は王子スマイルという名の愛想笑いをふりまくのだ。



「まぁ。なんて腹黒い王子スマイルなのかしら。」


さくらがポニーテールをほどいたゆるふわな髪をクルクルしながら私に言う。


「さくらほど黒くないよ?」

「それ褒め言葉ってことでいい?」
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