幼馴染が××すぎる。
ドアをくぐるように乗り込んだ陽介先輩の背の高さに、おぉ、と思う。


キヤも低くはないけど、私の背が大きいせいで身長差はさほどない。

陽介先輩は私より20cmは高いから、どうしたって見上げる形になる。


「…俺の顔、なんかついてる?」


珍しい光景につい見入ってしまってて、視線を感じた陽介先輩が照れ臭そうに言った。


「あ、す、すいません。先輩大きいなと思って」

「あー、はは。プロの世界だと低い方だけど普通の日本人の中ではデカく見えるよね。」

そう笑って私を見下ろす陽介先輩の笑顔は柔らかくて穏やかで、

クシャッと笑うキヤとは全然違う。


「相田は身長高い男ってどう思う?」

「?いいんじゃないですか?」

よくわからないまま返事する私を見て、先輩が言葉を選んでもう一度言った。

「…相田は、彼氏にするなら背高い方がいい?」


彼氏にするなら…?

私には無縁の単語だな。


「まぁ、ないよりはあった方が…?」

「…そっか。よかった。」


先輩は少し俯いて顔を隠すように鼻をいじった。


「…?」


陽介先輩、読めない人だなー。



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