幼馴染が××すぎる。
電車に揺られながら、バレーの話や先生の話をしてたらあっという間に私の最寄駅についた。



「あ、じゃあここで。お疲れ様でしたー」



陽介先輩、よく笑うし物腰柔らかな人ですごく話しやすかったな。

最初こそ緊張したけど、終盤は普通に先輩ということを忘れてラフに話してしまった。

これからは緊張せずに話せそうだなー。



電車を降りて生姜焼きについて考えながら歩き始めると、

グイッと手を引っ張られた。


「!?」





振り向くと、陽介先輩。




「え、先輩?どうしたんですか?」

「ッ…、あー…」




陽介先輩はなんでか余裕のない顔で

試合中でもこんな顔見たことない。

駅構内に発車ベルが鳴り響く。




「えっと…送る、よ。」

「え…?あ」




先輩の背後でガコンッ!と電車の扉が閉まった。




「…送ります。家まで。」




そう言った陽介先輩の視線が泳ぐ理由を

考えても考えても、その時の私にはわかる術もなかった。




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