幼馴染が××すぎる。
「…ンもーーーったいない!!」


隠れて見ていたらしいさくらがジャンプして出てきて仁王立ちした。

私はゲンナリした顔でそれを見る。


「陽介先輩に告られるなんて、宝くじ一等当たるよりも確率低いよ!?」

「当たってももらうかどうかは自由でしょ」

「一億円もらわない人なんていないでしょ!あー、もったいない!」

「…」


たしかに私のことを女として見てくれる人なんて、とても貴重。

普通に考えたら喜んで飛びつくべき事案。





「…姫。好きな人いるんでしょ。」





さくらが私の顔を覗き込んで、一瞬息の仕方を忘れる。




「い…ない、よ」




私は、ボールが恋人。




「…んーん。姫は、好きな人がいる。」


「さくら…変なこと言うのやめて」


「だって姫、苦しい顔してる。」


「え?」


さくらが私の顔を女の子らしい柔らかい手で包んで、私の目を見る。


「好きで好きで、苦しいって顔してるよ。」












ーーー『仁って相田と付き合ってんの?』









私は、この嫌な気持ちが始まってしまった日のことを思い出した。

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