幼馴染が××すぎる。
「あ…えっと……、姫って木屋谷くんと仲良いの…?」


モジモジする美鈴に、私の胸にザワ、と嫌な予感が走って、崩れそうになる笑顔をなんとか保つ。


「仲良いっていうか…幼馴染。それがどうかした?」


「あのね…私、木屋谷くんのこと、き、気になってて……あの…ちょっと、話したいなぁって…」


「…あー…」



実は、こういうのは初めてじゃない。



キヤは黙ってればイケメンだから。

アホだけどサッカー部のエースだし、

それに、まっすぐでいいやつだから。



今までキヤに彼女がいなかったのは、

私が「キヤはアホだからやめときなよ」って片っ端から牽制してきたから。




「…わかった。明日、部活終わりにここでいい?」

私がニコッと笑うと、


「…う、うん!」


美鈴の表情が分かりやすくパァッと明るくなる。


…美鈴は、可愛い。

女の子らしくて、穏やかで、守ってあげたくなるような、私とは真逆なタイプ。

アホなキヤと、優しい美鈴。

お似合いすぎて、笑けてくる。






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