幼馴染が××すぎる。

「ッ、!?ゴフッ」


案の定、ひと口であの世を見たらしい。


「カハッ、…ちょ、ゲフンッ、なんこれ!?ゴホッ、ゴホ!かっら!!辛、い!!」


大量に汗をかいて目を血走らせたキヤは、目尻に涙を浮かべて冷蔵庫に牛乳を取りに行く。


「っあー!いてぇ!辛い通り越して痛い!クッソ!!」


思いつく限りの文句を並べると、キヤは手を震わせながら、もう一度冷麺にかぶりついた。


「〜〜〜!!」





汗だくで悶絶するキヤを眺めながら思う。





アホだ。

アホすぎる。


可愛い女の子とごはんのチャンスをみすみす逃して

家に帰ってきて苦手な辛いものを、男みたいな幼馴染と食べて泣いている。






「……ふはっ」


身体中、汗やら鼻水やら涙やらを噴き出す幼馴染に、笑いが込み上げる。


「あははっ、何してんの、マジで」


笑いが止まらない。

涙と鼻水も、止まらない。


「ゴホッ、ゴフッ…、ちょっと黙れ…!集中してんだよ…っゲホ!ゲッホ!」
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