幼馴染が××すぎる。
「今のは、ちょっと大人げなかった」

「…」

キヤを大人だと思ったことなんて一度もないけど?と口から出そうになったのを、また奥の方にしまう。

「…ありがとうございます」

私は素直にお礼を言って、卵を崩す。

キヤは自分の冷麺にも卵を落としてお箸で崩しながら、

ちょっと言いづらそうに口を開いた。



「……付き合うの?」

「え?」



それ、どっちかと言うと私がしたい質問なんだけど…?



「……先輩と。」

「先輩って…」

「あのクソでかい人」

「…陽介先輩のこと?」

「…うん」


キヤはこっちを見ようとせず、ひたすらお箸で冷麺をかき混ぜている。


「…付き合わないよ」


キヤはピタ、と動きを止めて私を見た。


「……なんで?」

「…なんでって…」








あなたが

好きだからですけど








「……タイプじゃないから」



キヤは安心したような、ちょっと困ったような複雑な顔を見せると、

再び冷麺を混ぜ始めた。



「…へー」

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