幼馴染が××すぎる。


…ねぇ、キヤ。

もしかしてちょっと

嫉妬してくれた?





「……いつまで混ぜてんの」

「うるせぇな、卵でいま全部コーティングしてんだよ」





ねぇ。

こころなしか声が明るい気がするんだけど。

気のせい?





「…あ、いま胃痛薬切らしてるかも」

「は?死ぬじゃん」

「あはは」

「あははじゃねーよ」







…どうしよう。好きだ。

たとえキヤのそれが女としての私にじゃなく、

ただの幼馴染に対するそれだったとしても

好きだ。

ずっとずっと、

多分この先ずっと、

もしキヤに彼女ができちゃっても

いつか他の誰かと結婚しちゃっても

私はキヤを好きでいるんだろうなと思う。

そして私が1人になった時、今日のことを思い出して

今みたいに、胸が苦しくなるんだろうな。

あぁ、嫌だなぁ。







「一緒に死のうか」


私は真顔で言った。


「ゴフッ」


キヤがむせた。


「わ」


多分今のむせ方は鼻に入るやつ。


「カハッ、ゲホッ、ゲホ!っ…!?いってぇ、鼻がいてぇ!」



ティッシュをキヤに渡すと、キヤが真っ赤な顔で私を見あげた。



「ん?なに?」

「っ、ケホッ…。なぁ。今のってさぁ」

「ん?」

「……いや。なんでもない。」

キヤは鼻をグス、と鳴らしながら顔を背けた。








その後

キヤと私は激辛冷麺をヒーヒー言いながらなんとかたいらげると

痛むお腹をさすりながら薬局に行き、胃薬とバニラアイスを買って

家に帰ってしばらくして、大量の冷や汗をかきながら地獄のトイレ争奪戦を繰り広げるのだった。


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