幼馴染が××すぎる。
「姫ッ。」





その翌日、

体育館に入る直前に背中に声がして、私はピタ、と足を止める。





「美鈴…」

「おはよう!」




明るい笑顔で挨拶した美鈴の目の下には、たくさん泣き腫らしたであろうクマがあって。




「美鈴…えっと…」

「フフ、告白してフラれちゃった。」



美鈴が可愛く笑った。



「…」



なんて言ったらいいかわからなくて言葉に詰まってると、美鈴が迷いない声音で言う。


「ごめんね、姫。」

「えっ?」

「私、姫の気持ちわかってたのに、意地悪なことしちゃった。」

「どういうこと…?」

「羨ましかったの。八つ当たり。でもスッキリしたよ。ありがと。」

美鈴は私の返事を待たずに微笑んで、私を追い抜いて体育館の中に入っていった。
< 36 / 48 >

この作品をシェア

pagetop