幼馴染が××すぎる。
「夏休み、2週間のヨーロッパ旅行が決定しました」

「は?」



バレー部の練習から帰って早々、玄関口で母がしれっと発表した。



「聞いてないよ」

「言ってないもん」


もん、じゃないんだよ44歳専業主婦。


「パパが会社のビンゴ大会で当てちゃったのよね〜。」

「わたし部活あるんだけど」


大事な大会も控えてる。2週間もバレーできないなんて無理。


「言うと思った!だから行ってくるわ、木屋谷家と」

「…」


私の両親とキヤの両親は高校時代からの友達で

物心ついた頃からキヤは私の家に遊びに来ていたし、私も木屋谷家によく遊びに行っていた。

家族ぐるみの旅行なんかもよくあることだったから、まぁそれはいい。


「私は?」

「うちでお留守番。仁くんと。」

「は!?」

「妹の波瑠(ハル)ちゃんは一緒に行くんだけど、仁くんはサッカー部休みたくないみたいだから残るって。美子(マサコ)が仁くん1人じゃ心配だから(ヒメ)に面倒見てもらいたいってさ。」

ちなみに波瑠ちゃんはキヤの妹で、美子はキヤの母である。

「えぇ…?」


なんそれ?

曲がりなりにも高校生の男女だよ?

ひとつ屋根の下に親が推奨するってなにごと?

なんか、そういう、心配とかしないの???


「…やだよ、めんどくさい」

「何よ。仁くんを1人にするつもり?」

「…」


キヤが2週間も一人暮らし…?


「家を燃やしかねない」

「でしょ。頼んだわよ、姫。あんた料理はいまいちだけど、掃除洗濯くらいはできるでしょ」

「…」

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