幼馴染が××すぎる。
ゆっくり唇を離した仁が、私の真っ赤な顔をまじまじと見る。


「え…?姫って俺のこと好きなの…?」


…キスした後のセリフ、それで合ってる?


「それ聞く?」


「聞きたい。言って」


まっすぐすぎる視線に耐えかねて少し視線を逸らし、私は正直な気持ちを口にする。





「っ…、す……、」











あれ?







「……」





…あとは『き』を言うだけなのに。





「……っ」





声にならずに、

顔がボフッと熱くなった。







恥っず!!





「ご、ごめ、ごめん、ちょっと、ムリだ!また今度…!」



涙目で視線を戻すと、

これ以上ないくらい嬉しそうな顔の、仁。





「…俺も。姫が好き。大好き。」





そう言って私をぎゅ、と抱きしめた。


その温もりに、その声に、胸いっぱいに幸せな気持ちが充満する。

嘘みたいだ。

幸せすぎて、夢の中みたいにフワフワしてる。




仁が身体を離して、子犬みたいな目で私を見た。




「…俺、姫の彼氏になりたい。」




きゅん、と胸の奥が疼いた。

は?

何そのセリフ。

かわいすぎか?

かわいすぎて、嬉しくて、なんか泣きそう。




そんな天にも登るような気持ちで頷こうとした私に、

屈託なく笑う中1の男の子の声が水をさして、

一気に漠然とした不安が胸に広がった。




「……BLになっちゃうよ」




この後に及んでまだ過去の話を根に持つ性格の悪い自分に嫌気が差す。

対して仁が、あっけらかんと言った。


「いいじゃん、BL。BIG LOVEだろ?」





…ん?





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