幼馴染が××すぎる。
「あ、いた!」




…キヤ!?




サッカー部の練習着を着たキヤが、50mほど先でアホっぽく笑ってる。




「おーい」




キヤはバレー部一同の視線を一身に浴びながら、私に手を振る。




「なぁー!今日の夕飯さぁ、生姜焼きー…

オボォッ!!」




私はそこにあったボールをキヤの顔面に見事に命中させた。




「…ナイスキー…」

さくらが呟いた。




「いってぇー!何すんだよ!?」


私は顔をボールの形に赤くさせるキヤの元へ走り、「すいません、ちょっと出ます!」と言ってキヤの首根っこを掴んで体育館を出る。





「ちょい、ちょい、何怒ってんだよー」


「そりゃ怒るよ!」


「朝は悪かったって。でもお前だって卵焼き食うのしんどそうだったじゃん」


「違うって!それじゃない!…いや、それもだけど…!」


私は体育館裏の日陰でキヤから手を離して向き直る。

蝉の声がうるさくて、私の声も負けじと大きくなる。


「なんでわざわざ練習中に来る!?しかも夕飯の話とかしたらみんなに変な風に見られるじゃん!」


「しょうがねぇじゃん、急に生姜焼き食いたくなったんだから。つーか変な風に見られるってなんだよ?」


キヤがあまりにも無垢な目で私をみるので怒る気が削がれてため息をつく。

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