押しかけ婚〜あなたの初恋相手の娘ですが、あなたのことがずっと好きなのは私です
「・・・・あ、ん」
しいちゃんの大きな手が直接肌に触れる。
気になるのは、お酒に酔ってこんなことをしているのか、それとも私とわかってやっているのかということ。
反対側の手がパジャマのズボンのウエストにからそのまま下着の中は入り込んだ手が、局部に触れた。
「んっ」
陰毛をかき分け敏感な部分に指が触れた。胸に触れられるのも初めてなら、そこを触られるのも初めて。
太くて骨張った指が中心の割れ目に分け入り、突き刺さる。初めての刺激に息を呑んだ。
彼はどんな夢を見ているのだろう。
片方の胸を揉みながら、下腹部の指をゆっくりと前後の溝に沿って動かしていく。体の奥から何かが湧き出てくるのを感じる。
起こさないと。
そう思うのに、声が出ない。
「・・・・れ」
私の胸に顔を埋めるしいちゃんが何か呟いた。口元が谷間に埋まっているためくぐもってよく聞こえない。
「すみれ」
しいちゃんの指がずぶりと突き刺さると同時に、その声が私の耳に轟いた。
「すみれ」
私の乳房を揉み、誰にも触れさせたことのない体の秘めた部分に触れながら、彼は他の女性の名前を呼んだ。
私でもない。私の知らない他の誰でも無い。それはすでにこの世にいない母の名前に他ならない。
このまま目を覚ましたら、どんな顔をするだろう。
そんな意地の悪い考えが過ぎったが、結局のところ彼には罪悪感など抱かずただ好意だけを剥けて欲しいと思う。
後ろめたさから距離を置かれることも、反対に責任を取ると言われてもそれは自分の求める関係では無い。
小さく母の名を呟きながら、私の胸と下半身に触れ縋り付くように身を寄せてくる彼の手から、そっと身を離す。
私の体の支えを失い、横向きだった彼の体がベッドにうつ伏せになった。
ベッドの脇に立ち、すやすやと眠りに落ちる彼を眺める。枕に埋まった顔には、今どんな表情が浮かんでいるのだろう。
好きだった母のことを今でも彼は夢に見るんだろうか。
小さい頃はよく父に似ていると言われたが、年を重ねるにつれ母の面影が色濃くなってくる私を、彼はどんな気持ちで見ているのだろう。
鏡を見なければ、自分がどんな顔をしているのかわからない自分と違い、そんな私の顔見て、もしかしたら彼は辛いと思っているんだろうか。
脱がせた上着とシャツをハンガーにかけ、靴下は洗濯するために脱衣所へ持って行くことにする。
最後にもう一度ベッドで眠りにつく彼の背中を見つめてから、私は部屋を出て行った。
「おはよう」
翌朝、洗濯物を干している時に、しいちゃんが起きて朝の挨拶をした。
いつの間に着替えたのか、Tシャツとラフなスウェットという出で立ちだ。
「ごめん、オレ、夕べ何時頃帰ってきた?」
「12時過ぎかな」
「オレ、酔っ払ってただろ?」
「まあ、そうだね」
「朝起きたら、ズボンだけ履いてベッドで寝てたんだけど、まさか友梨亜が?」
しいちゃんは家に帰り着いてからの記憶が曖昧らしく、私に自分の様子を聞いてきた。もしかしてすべて夢だと思っているのかも知れない。
「え、オレ、何かやった? まさか、吐いたとか?」
私がどう言おうか考えていると、それを察して何かとんでもないことをしたのかとびびっている。
「別に・・・何か言ってたけど、自分で部屋まで行って、途中まで脱いでそのまま寝ちゃっただけ。どうしてるか後で覗いたら、靴下も服も脱ぎ散らかしていたから、ハンガーに架けて靴下は洗濯機に放り込んだけど」
私が支えて寝室へ連れて行き、脱がしたことは言わなかった。ベルトはわかるがファスナーを下ろしたのも私だとは知られたくない。
しいちゃんに触れられ、気持ちよくなっていたことを思い出して頬が赤くなる。
「そうか・・・そうなんだ。オレはてっきり」
「え?」
「あ、いや、じゃあ吐いたりはしなかったんだ」
「まったく記憶がなくなるくらいに飲むなんて、もうテレビで酔っ払ったサラリーマンの人たちを見て笑えないわよ」
「はは・・・・すまない。ちょっと色々あって」
「色々? 出版社のパーティって言ってたよね」
「そんなこと言ってた?」
「うん。あ、もうこんな時間。私そろそろ朝ご飯の支度しないと・・・しいちゃんも食べる?」
時計はすでに7時を回っていた。私は慌ててベランダから台所へと向かった。
「う~ん、オレはコーヒーだけでいいよ」
「だめだよ。ちゃんと食べないと」
「わかっているよ。でも、今まだ・・・」
「わかった。じゃあシャワーでも浴びてくる?」
「うん、そうするよ。あのさ、友梨亜」
冷蔵庫から玉子を取り出している私にしいちゃんが声をかけた。
「何?」
振り返ると、しいちゃんが思い詰めた表情を私に向けていた。
「今日は早く帰るつもりだから、夕飯用意しておいて」
「うん、わかった」
やけに神妙な顔をするから何事かと思ったら、まさかの夕食についてだった。
もしかして、夕べのこと、何か思い出したのか。それとも・・・
結局、その日はしいちゃんのことが気になって、古典の授業で当てられたときにどこを読むかわからず、もっと集中しなさいと先生に怒られてしまった。
しいちゃんの大きな手が直接肌に触れる。
気になるのは、お酒に酔ってこんなことをしているのか、それとも私とわかってやっているのかということ。
反対側の手がパジャマのズボンのウエストにからそのまま下着の中は入り込んだ手が、局部に触れた。
「んっ」
陰毛をかき分け敏感な部分に指が触れた。胸に触れられるのも初めてなら、そこを触られるのも初めて。
太くて骨張った指が中心の割れ目に分け入り、突き刺さる。初めての刺激に息を呑んだ。
彼はどんな夢を見ているのだろう。
片方の胸を揉みながら、下腹部の指をゆっくりと前後の溝に沿って動かしていく。体の奥から何かが湧き出てくるのを感じる。
起こさないと。
そう思うのに、声が出ない。
「・・・・れ」
私の胸に顔を埋めるしいちゃんが何か呟いた。口元が谷間に埋まっているためくぐもってよく聞こえない。
「すみれ」
しいちゃんの指がずぶりと突き刺さると同時に、その声が私の耳に轟いた。
「すみれ」
私の乳房を揉み、誰にも触れさせたことのない体の秘めた部分に触れながら、彼は他の女性の名前を呼んだ。
私でもない。私の知らない他の誰でも無い。それはすでにこの世にいない母の名前に他ならない。
このまま目を覚ましたら、どんな顔をするだろう。
そんな意地の悪い考えが過ぎったが、結局のところ彼には罪悪感など抱かずただ好意だけを剥けて欲しいと思う。
後ろめたさから距離を置かれることも、反対に責任を取ると言われてもそれは自分の求める関係では無い。
小さく母の名を呟きながら、私の胸と下半身に触れ縋り付くように身を寄せてくる彼の手から、そっと身を離す。
私の体の支えを失い、横向きだった彼の体がベッドにうつ伏せになった。
ベッドの脇に立ち、すやすやと眠りに落ちる彼を眺める。枕に埋まった顔には、今どんな表情が浮かんでいるのだろう。
好きだった母のことを今でも彼は夢に見るんだろうか。
小さい頃はよく父に似ていると言われたが、年を重ねるにつれ母の面影が色濃くなってくる私を、彼はどんな気持ちで見ているのだろう。
鏡を見なければ、自分がどんな顔をしているのかわからない自分と違い、そんな私の顔見て、もしかしたら彼は辛いと思っているんだろうか。
脱がせた上着とシャツをハンガーにかけ、靴下は洗濯するために脱衣所へ持って行くことにする。
最後にもう一度ベッドで眠りにつく彼の背中を見つめてから、私は部屋を出て行った。
「おはよう」
翌朝、洗濯物を干している時に、しいちゃんが起きて朝の挨拶をした。
いつの間に着替えたのか、Tシャツとラフなスウェットという出で立ちだ。
「ごめん、オレ、夕べ何時頃帰ってきた?」
「12時過ぎかな」
「オレ、酔っ払ってただろ?」
「まあ、そうだね」
「朝起きたら、ズボンだけ履いてベッドで寝てたんだけど、まさか友梨亜が?」
しいちゃんは家に帰り着いてからの記憶が曖昧らしく、私に自分の様子を聞いてきた。もしかしてすべて夢だと思っているのかも知れない。
「え、オレ、何かやった? まさか、吐いたとか?」
私がどう言おうか考えていると、それを察して何かとんでもないことをしたのかとびびっている。
「別に・・・何か言ってたけど、自分で部屋まで行って、途中まで脱いでそのまま寝ちゃっただけ。どうしてるか後で覗いたら、靴下も服も脱ぎ散らかしていたから、ハンガーに架けて靴下は洗濯機に放り込んだけど」
私が支えて寝室へ連れて行き、脱がしたことは言わなかった。ベルトはわかるがファスナーを下ろしたのも私だとは知られたくない。
しいちゃんに触れられ、気持ちよくなっていたことを思い出して頬が赤くなる。
「そうか・・・そうなんだ。オレはてっきり」
「え?」
「あ、いや、じゃあ吐いたりはしなかったんだ」
「まったく記憶がなくなるくらいに飲むなんて、もうテレビで酔っ払ったサラリーマンの人たちを見て笑えないわよ」
「はは・・・・すまない。ちょっと色々あって」
「色々? 出版社のパーティって言ってたよね」
「そんなこと言ってた?」
「うん。あ、もうこんな時間。私そろそろ朝ご飯の支度しないと・・・しいちゃんも食べる?」
時計はすでに7時を回っていた。私は慌ててベランダから台所へと向かった。
「う~ん、オレはコーヒーだけでいいよ」
「だめだよ。ちゃんと食べないと」
「わかっているよ。でも、今まだ・・・」
「わかった。じゃあシャワーでも浴びてくる?」
「うん、そうするよ。あのさ、友梨亜」
冷蔵庫から玉子を取り出している私にしいちゃんが声をかけた。
「何?」
振り返ると、しいちゃんが思い詰めた表情を私に向けていた。
「今日は早く帰るつもりだから、夕飯用意しておいて」
「うん、わかった」
やけに神妙な顔をするから何事かと思ったら、まさかの夕食についてだった。
もしかして、夕べのこと、何か思い出したのか。それとも・・・
結局、その日はしいちゃんのことが気になって、古典の授業で当てられたときにどこを読むかわからず、もっと集中しなさいと先生に怒られてしまった。